こんにちは!就労継続支援B型事業所「ONEGAME八千代台」サービス管理責任者のかまちゃんです。
本日は日々、障がいのある方の就労をサポートする立場から、企業における障がい者雇用の現状や課題について、現場の声をお届けします。
障がい者雇用と就労支援B型の関係って? 「かまちゃん、就労継続支援B型って何?」とよく聞かれます。簡単に言うと、一般企業での就労が難しい障がいのある方が、自分のペースで働ける場所。うちのONEGAME八千代台では、ゲーム関連のお仕事や事務作業などを提供しています。 でも誤解しないでほしいのは、B型事業所は「雇用」ではなく「福祉サービス」だということ。ここで働く障がいのある方は「利用者さん」で、雇用契約はありません。工賃をお支払いしていますが、これは「給料」ではないんです。 一方で、一般企業には「法定雇用率」という障がい者の方を一定割合で雇う義務があります。2021年3月からは民間企業で2.3%。達成できないと納付金を支払うことになります。 私たちB型事業所と企業の障がい者雇用は、密接に関わっているんです。
就労支援の現場から見える「企業の本音」 私たちの事業所に企業の方が見学に来られることがあります。障がい者雇用を検討していて、「どんな仕事を任せられるのか」「どんな配慮が必要か」といった相談がほとんどです。 よく聞く本音はこんな感じ。 「雇用率を達成したいけど、どう始めていいか分からない」 「特例子会社を作るほどの余裕はない」 「一度失敗して、二の足を踏んでいる」 印象的だったのは、ある中堅IT企業の人事担当者の言葉。 「正直、最初は納付金を払うほうが楽だと思っていました。でも、それじゃダメだと」 この方は後に、自社で障がい者雇用に成功されました。鍵になったのは「焦らないこと」だそうです。
企業と障がい者をつなぐ架け橋として ONEGAME八千代台では、企業の障がい者雇用をサポートする取り組みもしています。例えば: ◆ 企業内実習のコーディネート 利用者さんが企業で働く経験を積む「企業内実習」。短期間ですが、お互いを知る貴重な機会です。昨年は製造業や小売業など5社で実習を実施。このうち2名が実際に就職につながりました! ◆ 企業向け障がい理解セミナー 「発達障がいって何?」「精神障がいのある方への接し方は?」など、基礎知識を伝えるセミナーを開催。昨年は地元商工会の協力もあり、30社以上が参加してくれました。 ◆ 業務切り出しのコンサルティング 「うちに障がい者が働ける仕事があるか分からない」という悩みに、業務の切り出しをお手伝い。例えば、ある不動産会社では物件写真の整理・加工作業を切り出したところ、とても上手くいきました。 B型事業所は、障がいのある方の特性や能力を熟知しています。だからこそ企業と障がい者の良きマッチングができるんです。 障がい者雇用の成功事例:現場から見えたポイント 就労支援の現場から見て、障がい者雇用がうまくいっている企業には共通点があります。
① 「お試し」からスタート いきなり正社員雇用ではなく、実習や短時間勤務から始める企業が成功しています。
製パン会社A社の例:最初は週3日、1日4時間から。半年かけて徐々に時間を延ばし、今では週5日勤務に。焦らない姿勢が定着につながりました。
② 障がい特性を見る目 「できないこと」より「得意なこと」に注目する視点が大切です。
IT企業B社の例:自閉症スペクトラムのある方のプログラミング能力に着目。マニュアル作成業務を任せたところ、驚くほど緻密な仕事ぶりで、今では欠かせない存在に。
③「特別扱い」より「合理的配慮」 特別扱いするのではなく、必要な配慮を当たり前に提供する文化が重要です。
小売店C社の例:聴覚障がいのあるスタッフのために始めた「指示は紙に書く」というルールが、全スタッフの業務効率アップにつながりました。
④ 支援機関とのつながり 就労支援事業所やジョブコーチなど、外部資源を活用している企業は長続きしています。
物流会社D社の例:当初は不安だらけでしたが、定期的に就労支援機関のスタッフが職場を訪問。少しずつ社内に障がい理解が広がり、今では複数名の障がい者を雇用しています。
B型事業所だからこそ分かる「就労への道」 就労継続支援B型は「働く訓練の場」でもあります。中には一般就労を目指す方もいて、私たちはその橋渡し役も担っています。 ただ、B型から一般就労への道のりは平坦ではありません。 就労が続かずB型に戻ってくる「リボーン」ケースもあります。ある利用者さんは、清掃会社に就職したものの、人間関係のストレスから3ヶ月で退職。でもその経験を生かし、今は別の職種に挑戦する準備をしています。 こうした試行錯誤も含めて「その人らしい働き方」を見つけていくこと。それが私たちB型事業所の大切な役割だと思っています。
「雇用義務」を「成長機会」に変えるコツ では、企業が障がい者雇用を前向きに進めるには何が必要か?現場の経験から提案します。
本物の「インクルージョン」を目指して 法定雇用率という「数値目標」は大切ですが、本当の目標はそこではないはず。障がいの有無にかかわらず、多様な人材が活躍できる「インクルーシブな職場」こそが理想です。 ある企業の社長さんが言っていた言葉が忘れられません。 「障がい者雇用で学んだことで、会社全体が変わりました。人それぞれの違いを認め合う文化ができたんです」 これこそが障がい者雇用の本質的な価値だと思います。法律だからでなく、会社と人を成長させるチャンスだからこそ、取り組む価値があるんです。
最後に:就労支援事業所をぜひ頼ってください 障がい者雇用に不安がある企業の方、ぜひ地域の就労支援事業所に相談してみてください。私たちONEGAME八千代台のようなB型事業所も、A型事業所も、移行支援事業所も、皆さんの味方です。 「どんな仕事が合うか」「どんな配慮が必要か」「助成金は使えるか」など、具体的なアドバイスができます。何より、障がいのある方の特性や能力をよく知っているからこそ、ミスマッチを防ぐ力になれるはずです。 企業の成長と障がい者の就労機会拡大、その両方を実現するために。これからも現場から情報発信していきますね。
長文を読んでいただき、ありがとうございました!質問やご相談があれば、コメント欄やSNSでもお待ちしています。いつでもONEGAME八千代台に遊びに来てくださいね。ながながとすいません、