みなさんこんにちは、ONEGAME八千代台のかまちゃんです。
30年間福祉の現場で働いてきた経験から、今日は精神障害をお持ちのご家族をサポートするために、私たちができることについてお話ししたいと思います。
はじめに ~気づいたら、あなたはひとりで抱えていませんか~
朝起きると、お子さんやご家族の部屋のドアがまた閉まったまま。「今日も出てこないかな」という思いと、「どうしてあげればいいのだろう」という不安が交差する毎日。そんな日々を送られている方も多いのではないでしょうか。 私は30年間、様々な障害を持つ方々とその家族に寄り添ってきました。特に精神障害の場合、目に見えない症状だけに、周囲の理解を得られにくく、ご家族だけで悩みを抱え込んでしまうケースが本当に多いのです。
「うちの子はちょっと変わっているだけ」
「しっかりしなさいと言えば治るはず」
「家族の育て方が悪かったのでは」
こうした言葉を、親戚や知人から投げかけられ、傷ついた経験をお持ちの方も少なくないでしょう。でも、あなたは悪くありません。そして、あなたはひとりではないのです。
精神障害とは ~見えない痛みを理解する~
精神障害は、脳の機能障害から起こる病気です。統合失調症、うつ病、双極性障害、不安障害など様々な種類があります。どれも本人の意思や努力だけでは改善が難しく、適切な治療と環境調整が必要です。
ある日、40代の男性Aさんのお母さんが私たちの事業所を訪れました。 「息子は大学を卒業して一流企業に就職したのに、ある日突然出社できなくなって…もう5年も引きこもっています。何がいけなかったのか、私の育て方が…」 涙ながらに話すお母さんに、私はこう伝えました。 「お母さん、あなたのせいではありません。精神障害は誰にでも起こりうる脳の病気なんです。Aさんの頑張りや、お母さんの愛情が足りなかったわけではないんですよ。」 精神障害は、風邪をひくようなものです。誰でもかかる可能性があり、その人の性格や家族の関わり方だけが原因ではありません。まずは、このことを理解していただきたいのです。
家族が直面する困難 ~見えない戦いの日々~
精神障害を持つ方のご家族は、様々な困難に直面します。 理解してもらえない苦しみ 「うちの子は何もしないでゴロゴロしている」という誤解を受けることがあります。本人は目に見えない苦しみと戦っているのに、それを周囲に説明するのは難しいものです。
将来への不安 「このまま社会に出られるのだろうか」「私たち親がいなくなったら、この子はどうなるのだろう」という不安は、夜も眠れなくなるほど大きいものです。
家族自身の疲弊 常に気を張り、本人の状態に合わせた生活を送るうちに、家族自身も疲れ果ててしまうことがあります。 ある日の夕方、事業所に一本の電話がありました。 「もう限界です。息子の暴言に耐えられなくて…私が死んだ方がいいのでしょうか」 電話口で泣き崩れるBさんのお母さん。統合失調症の息子さんの症状が悪化し、幻聴に苦しむ息子さんから、「お前のせいだ」と責められ続けていたのです。 翌日、私はBさん宅を訪問しました。Bさんのお母さんは3日間ほとんど眠っていない様子。「お母さん、まずはあなたが休むことが大切です」と伝え、レスパイト(一時的休息)のサポートを提案しました。ご家族の皆さん、あなたが倒れては何もなりません。あなた自身を大切にすることも、立派なケアの一部なのです。
ONEGAME八千代台の家族支援 ~一緒に歩む仲間として~
私たちONEGAME八千代台の就労継続支援B型事業所では、精神障害をお持ちの方への支援はもちろん、ご家族へのサポートにも力を入れています。
①家族相談会(月1回開催) 毎月、家族同士が集まり、悩みを共有する場を設けています。「うちだけじゃないんだ」という安心感は、想像以上に心の支えになります。 「最初は話すのが恥ずかしかったけど、同じ悩みを持つ人たちと出会えて、初めて本音で話せました」とCさんのお父さん。同じ立場の人にしか分からない悩みを共有することで、新たな視点や対処法が見つかることも少なくありません。
②専門家による個別相談(予約制) 精神保健福祉士や公認心理師による個別相談を行っています。家族会では話しづらい個人的な悩みや、具体的な制度活用についてアドバイスを受けることができます。 「息子の障害年金の申請方法が分からなくて困っていました。相談したら、必要書類の準備から申請手続きまで丁寧に教えてもらえて本当に助かりました」とDさんのお母さん。
③家族向け学習会(季節ごとに開催) 精神障害についての正しい知識を得るための学習会を開催しています。病気の特性や接し方、利用できる制度など、実生活に役立つ情報をお伝えします。 「統合失調症の症状について学んだことで、息子の行動の理由が分かるようになりました。イライラしなくなって、家の雰囲気が少し楽になりました」とEさんの奥さん。
④レスパイトサポート(必要に応じて) ご家族自身の休息も大切です。当事業所の日中活動を利用いただくことで、ご家族に休む時間を作っていただけます。 「息子が事業所に通うようになって、私も趣味の時間が持てるようになりました。心に余裕ができて、息子への接し方も変わりました」とFさんのお母さん。
実際の支援例 ~変化は少しずつ、でも確実に~
最後に、実際の支援事例をご紹介します(プライバシー保護のため、一部改変しています)
Gさん(20代男性)の場合
大学中退後、2年間引きこもっていたGさん。お母さんが限界を感じて当事業所に相談に来られました。最初は、私が自宅を訪問する形からスタート。Gさんは部屋から出てきませんでしたが、「無理に出てこなくていいよ」と伝え、ドア越しに将棋の話をしました(事前にお母さんからの情報で将棋が好きと知っていました)。 3か月後、初めて部屋から出てきたGさん。その後も週1回の訪問を続け、半年後には事業所への見学に来てくれました。今では週3日、事業所に通いながらパソコン作業をしています。 お母さんも家族会に参加するようになり、「同じ悩みを持つ人と話せて気持ちが楽になりました」と話されています。
Hさん(40代女性)の場合
うつ病で会社を辞めた後、家族との関係も悪化していたHさん。お姉さんからの相談がきっかけでした。まず家族相談会にお姉さんが参加。その後、専門家による個別相談でご家族の接し方について助言を受けました。「病気を責めないこと」「できることを少しずつ増やしていくこと」をポイントにご家族の接し方が変わりました。 Hさん自身も少しずつ事業所に通うようになり、今では制作活動を中心に週4日通所されています。何より変わったのは家族関係。「お互いを理解しようとする気持ちが生まれました」とお姉さんは話されています。
おわりに ~一歩踏み出す勇気~
長い間悩みを抱えていると、「このままでいいのかな」と思い始めることもあるでしょう。でも、変化のためには小さな一歩が必要です。私たちONEGAME八千代台では、その一歩を踏み出すお手伝いをさせていただきます。30年間の福祉経験から言えることは、「必ず道は開ける」ということ。一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。精神障害は決して珍しいものではありません。日本では推計で約420万人の方が何らかの精神疾患を抱えているといわれています。あなたはひとりではないのです。 私たちと一緒に、ご本人と家族の笑顔を取り戻す道を歩みませんか?
利用案内 ONEGAME八千代台(就労継続支援B型事業所)
住所:千葉県八千代市八千代台北1-9-9
電話:043-400-3223(平日9:00〜18:00)
メール:contact@tlife-chiba.com
家族向け相談会 ※事前予約制(電話またはメールにてお申し込みください)
見学・体験利用も随時受付中 まずはお気軽にお問い合わせください。 サービス管理責任者のかまちゃんが対応いたします。
一人で悩まないでください。あなたとご家族の新しい一歩を、私たちがサポートします。では、また!