こんにちは!就労継続支援B型事業所「ONEGAME八千代台」のサービス管理責任者、かまちゃんです。今日は私の30年以上の支援員経験から、利用者さんたちと一緒に取り組んできた「働きやすさ」についてお話しします。
「障がいがあると、仕事と生活のバランスを取るのは特に難しい…」 「疲れやすいから、効率よく働くコツが知りたい…」 「自分に合った仕事の進め方って何だろう…」 こんな悩みを持つ方、多いんじゃないでしょうか?今回は、うちの事業所で実践している「ワークライフバランス改善」のための取り組みを紹介します。障がいのある方の「働く」と「暮らす」を、どちらも大切にする方法を一緒に考えていきましょう!
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目次
・私たちの事業所「ONEGAME八千代台」について
・障がいがあると難しい?ワークライフバランスの現実
・実践!仕事の優先順位付けで疲れ知らず
・タイムマネジメント術~時間の使い方を見直そう
・仕事の効率化テクニック~無理なく成果を上げるコツ
・利用者さんの声~ワークライフバランス改善の実例
・私たちの事業所の見学・体験利用について
・まとめ~障がいがあっても、自分らしい働き方を
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・私たちの事業所「ONEGAME八千代台」について
「就労継続支援B型って何?」という方のために、まず簡単に説明します。B型事業所は、一般企業での就労が難しい障がいのある方が、自分のペースで働ける場所です。雇用契約ではなく福祉サービスとして、それぞれの特性に合わせた働き方ができます。 うちのONEGAME八千代台では、主にゲーム関連の作業や事務作業を提供していて、現在4名ほどの利用者さんが通ってきています。身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がいなど、様々な障がいのある方が一緒に働いています。
・障がいがあると難しい?ワークライフバランスの現実
「ワークライフバランス」という言葉、よく聞きますよね。仕事と私生活のバランスを取ること。でも障がいのある方にとって、このバランスを取るのは特に難しいことがあります。 例えば、うちの利用者さんのAさん(30代・統合失調症)は、こんな悩みを抱えていました。 「調子がいい日は頑張りすぎて、その反動で3日寝込んでしまう」 「周りのペースについていけなくて焦るから、余計に体調を崩す」 「疲れを溜めないようにしたいけど、どうしたらいいか分からない」 これって、多くの障がいのある方が感じていること。特に精神障がいや発達障がいのある方は、「無理しすぎ」と「何もできない」の振り幅が大きくなりがちです。 だからこそ、障がい特性に合わせたワークライフバランス改善が必要なんです。「普通の人」向けのアドバイスをそのまま当てはめるのではなく、一人ひとりに合った方法を見つけることが大切です。
・実践!仕事の優先順位付けで疲れ知らず
「何から手をつけていいか分からない…」という声、よく聞きます。特に発達障がいのある方は、仕事の優先順位付けが苦手なことが多いんです。 うちの事業所では、こんな方法で優先順位付けをサポートしています。
◆ マトリックス表で見える化
重要度と緊急度の2軸でタスクを分類する方法です。A4用紙を4分割して、「今すぐやるべき」「計画的にやる」「誰かに任せる」「やらない」に分けていきます。 発達障がいのあるBさんは、このマトリックスを作ってから「頭の中がスッキリした」と言っていました。目に見える形で整理すると、「全部やらなきゃ」という思い込みから解放されるんですね。
◆ トップ3タスク法
朝一番に「今日絶対にやる3つのこと」を決める方法。うちでは付箋に書いて、テーブルに貼っています。 統合失調症のCさんは「終わった付箋をはがす時が気持ちいい」と言って、この方法を気に入っています。達成感が目に見える形で得られるのがポイントです。
◆ 体調管理と連動させる
特に大事なのが、体調と仕事の優先順位を連動させること。うちでは「コンディションメーター」という0~10の数字で、その日の調子を朝に申告してもらっています。 「今日は3だから、絶対必要な作業だけ」 「今日は8だから、少し難しい作業にチャレンジ」 このように、体調に合わせて仕事の質と量を調整。これが長く続けるコツなんです。 仕事の優先順位付けは、「やりたいこと全部やる」じゃなくて「本当に必要なことを選ぶ」技術。これができると、無駄なエネルギー消費が減って、疲れ知らずに働けるようになります。
・タイムマネジメント術~時間の使い方を見直そう
障がいのある方の中には、時間の感覚がつかみにくい方も多いです。「気づいたら1時間経ってた」「集中しすぎて休憩を忘れる」といった悩みをよく聞きます。 そこでうちの事業所では、こんなタイムマネジメント術を実践しています。
◆ ポモドーロテクニック変形版
本来は25分作業→5分休憩のサイクルを繰り返す方法ですが、うちでは各自の特性に合わせて調整しています。 例えば、ADHDのあるDさんは「15分作業→10分休憩」が最適でした。中途半端に思えるかもしれませんが、この時間配分だと集中力が途切れる前に休憩が入るので、結果的に1日の作業量が増えたんです。 事業所内には大きなタイマーを設置して、「見える化」しています。
◆ エネルギー管理表
1日のエネルギーレベルを時間帯ごとに記録する方法。1週間つけると、「自分はいつ調子がいいのか」のパターンが見えてきます。 うちの利用者さんのほとんどが「午前中に集中力を使う作業」「午後は単純作業」というリズムが合っていることが分かりました。でも中には「午後から覚醒する」という方もいて、その場合は作業スケジュールを逆にしています。 個人に合った時間帯に合った作業を。これがタイムマネジメントの基本です。
◆ バッファタイム(余白時間)の確保
「予定通りにいかない」のが現実。だから、うちでは必ず作業と作業の間に「バッファタイム」を入れています。 自閉症スペクトラムのあるEさんは、急な予定変更でパニックになることが多かったのですが、「予定変更用の時間」を最初から組み込むことで、ずいぶん落ち着いて作業できるようになりました。 時間管理は単なる「効率化」ではなく、「自分の特性に合った働き方を見つける」こと。これができると、ワークライフバランスがグッと改善します。
・仕事の効率化テクニック~無理なく成果を上げるコツ
「効率化」というと、「もっと早く、もっとたくさん」というイメージがありますよね。でも障がいのある方にとっての効率化は、「無理なく続けられる方法を見つけること」だと思っています。 うちの事業所で実践している効率化テクニックをいくつか紹介します。
◆ 環境カスタマイズ法 作業環境を自分に合わせて調整する方法です。 感覚過敏のあるFさんは、イヤーマフを着用して作業することで集中力アップ。 ADHDのGさんは、立ったり座ったりを自由に切り替えられる作業台が合っていました。 視覚優位のHさんは、手順を全て図解したマニュアルで作業効率が3倍に。 「普通」の環境にこだわらず、その人に最適な環境を作ることが、実は最大の効率化なんです。
◆ バッチ処理(同種作業まとめ技) 同じ種類の作業はまとめてやる方法。例えば「データ入力→封入作業→データ入力→封入作業」と行き来するより、「データ入力を全部→封入作業を全部」のほうが効率的です。 特に自閉症スペクトラムのある方には、この方法が向いています。作業の切り替えにエネルギーを使うので、同じ作業を続けられるほうが効率がいいんです。
◆ テンプレート活用法 繰り返し行う作業には、テンプレートを作っています。 例えば、毎日の作業報告書。以前は白紙に書いてもらっていましたが、項目を印刷した用紙に変えたところ、記入時間が半分になりました。特に書くことが苦手な方には大きな効果がありました。
◆ 視覚的ガイド法 作業手順を視覚的に示す方法。特に知的障がいのある方に効果的です。 うちではラミネート加工した写真カードを作業台に並べて、「次は何をするか」が一目で分かるようにしています。言葉での説明より、視覚情報のほうが伝わりやすい方が多いんです。
仕事の効率化は「楽をする」ことではなく、「自分に合った方法で最大限の力を発揮する」こと。それが結果的にワークライフバランスの改善につながります。
・利用者さんの声~ワークライフバランス改善の実例
理論よりも実例が分かりやすいと思うので、実際に効果があった利用者さんの例を紹介します。(プライバシー保護のため、一部変更しています)
Iさん(40代・うつ病)の場合
「調子がいい時に頑張りすぎて、その後1週間動けなくなる」という波の激しさに悩んでいました。仕事熱心な方なので、ブレーキがかけられなかったんです。 <改善策> ・体調メーターを導入し、「7以上の時は絶対に残業しない」ルールを設定 ・作業時間を計測し、「90分以上連続作業しない」タイマーを設置 ・「頑張りすぎた自分」を褒めるのではなく、「適度に休めた自分」を褒める習慣づけ <現在> 波の幅が小さくなり、3か月連続で週4日の通所ができるようになりました。「無理しない自分」を認められるようになったそうです。
Jさん(20代・発達障害)の場合
「何から手をつけていいか分からない」「全部中途半端になる」と悩んでいました。本人曰く「頭の中がごちゃごちゃして整理できない」状態でした。 <改善策> ・マトリックス表で優先順位付け ・「今日のトップ3」を必ず決める習慣づけ ・作業ごとにタイマーをセットし、時間内で終わらせる練習 <現在> 「頭の中が整理された感じ」と言って、作業効率が上がりました。家でも同じ方法を使って、趣味の時間も確保できるようになったそうです。
Kさん(30代・身体障害)の場合
車椅子を使用しているKさんは、体力的な制約から「仕事か生活か」の二者択一になりがちでした。「仕事をすると家事ができない、家事をすると仕事ができない」と悩んでいました。 <改善策> ・エネルギー消費の可視化(家事も仕事も含めて1日の消費エネルギーを数値化) ・1日のエネルギー配分計画の作成 ・身体に負担の少ない動作や道具の検討 <現在> 「限られたエネルギーの使い方が上手くなった」と言っています。仕事の日でも簡単な家事ができるようになり、「どちらも中途半端」ではなく「どちらも無理なくこなせる」状態に変わりました。
このように、それぞれの障がい特性や生活状況に合わせた「オーダーメイドのワークライフバランス」を一緒に考えていくのが、私たちの仕事です。 決して「こうすべき」という正解はなく、その人に合った方法を一緒に探していく過程が大切なんだと思います。
・私たちの事業所の見学・体験利用について
「自分も仕事と生活のバランスを整えたい」 「自分の特性に合った働き方を見つけたい」 「効率的に、でも無理なく働ける場所が欲しい」 そんなあなたに、ぜひONEGAME八千代台を見学してほしいと思います。 うちの事業所では、利用者さん一人ひとりの「働きやすさ」を大切にしています。「効率」や「成果」だけを求めるのではなく、「続けられること」「無理なく成長できること」を重視しているんです。 見学は随時受け付けていますし、体験利用も可能です(要予約)。不安な方は、最初は短時間の見学だけでもOK。少しずつ、あなたのペースで考えていきましょう。
【見学・体験利用のお申し込み】
電話:043-400-3223(平日8:45~17:45) メール:contact@tlife-chiba.com 担当:かまちゃん
【アクセス】 ONEGAME八千代台 住所:千葉県八千代市八千代台北1丁目9-9 最寄駅:京成本線「八千代台駅」徒歩2分
・まとめ~障がいがあっても、自分らしい働き方を
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。 ワークライフバランスの改善、仕事の優先順位付け、タイムマネジメント術、効率化テクニック。これらは決して「健常者だけのもの」ではありません。むしろ、障がいのある方だからこそ、自分に合った方法を見つけることが大切なんです。 私たち支援員は、「できない」を「できる」に変えるお手伝いをします。でも、それは「普通になる」ということではなく、「あなたらしく生きる」ということ。 10年間、様々な障がいのある方と関わってきて思うのは、「正解は人それぞれ」ということ。画一的な方法ではなく、その人に合った方法を一緒に見つけていくことが、私たちの役割だと思っています。
ONEGAME八千代台では、これからも利用者さん一人ひとりの「働きやすさ」を追求していきます。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ見学にいらしてください。あなたらしい働き方、一緒に見つけましょう! かまちゃん(ONEGAME八千代台サービス管理責任者)