MENU

「ただ通うだけ」の毎日は卒業。4月から始める、自分のペースを大切にする働き方

毎朝、決まった時間に決まった場所へ向かう。けれど、そこで過ごす時間に「自分は今、何のために通っているのだろう」と感じてしまうことはないでしょうか。

就労継続支援B型に通っていても、作業の内容や働くペースが自分に合っていないと、「ただ通うだけ」の日々になってしまうことがあります。それは決して、あなたの努力が足りないからではありません。多くの場合、その環境やプログラムが、本来のあなたの特性やペースと噛み合っていないだけなのです。

4月は、新しい生活や働き方を見直すのにちょうどいい節目です。この記事では、「自分のペースを大切にする」という働き方がどのようなものか、そしてそれがどのように一般就労への道につながっていくのかを、具体的にお伝えしていきます。今の状況に小さな違和感を感じている方にこそ、読み進めていただきたい内容です。

目次

「ただ通うだけ」になってしまう理由とは?

毎日同じ時間に同じ場所へ行って、特に変わらない作業をこなして帰る。それ自体は悪いことではないはずなのに、なぜか心がすり減っていく。そう感じるとき、実はそこにはちゃんとした理由があります。漠然とした不安を、まずは言葉にしてみましょう。

作業内容と本人の特性が合っていない

「ただ通うだけ」になってしまう一番大きな理由は、作業の内容がその人の得意なことや興味と結びついていないことです。人は誰でも、自分が少しでも面白いと感じられることや、得意だと思えることに取り組んでいるときは、自然と集中力が続きます。逆に、なんとなく与えられた作業を、なんとなくこなしているだけだと、時間が過ぎるのを待つだけの感覚になってしまう。これはやる気の問題ではなく、単純に環境と特性のマッチングがうまくいっていないというだけの話です。たとえばパソコンの画面を見ているのが苦にならない人もいれば、手先を使う細かい作業のほうが落ち着くという人もいます。その違いを無視して同じプログラムに当てはめようとすると、どうしても「やらされている感」が強くなってしまうのです。

出勤すること自体が目的化してしまう

もう一つの理由は、本来であれば「働く力を育てる手段」であるはずの通所そのものが、いつのまにか目的にすり替わってしまうことです。「今日も行けた」「今月も休まず通えた」ということ自体は決して悪いことではありませんが、それだけがゴールになってしまうと、次のステップへの意識が薄れていきます。出勤すること自体が目的化すると、本人の中で「この先どうなりたいか」という未来の輪郭がぼやけてしまい、毎日が単調な繰り返しに感じられるようになる。これは特性の問題ではなく、支援の設計そのものが「通うこと」までしか見ていない場合に起こりやすい現象です。

「合わない」のは環境の問題であって、本人の問題ではない

ここで一番伝えたいのは、こうした状況に陥っているとしても、それは本人の努力不足や能力の問題ではないということです。合わない環境にいると、人は本来持っている力をうまく発揮できなくなります。靴のサイズが合っていないのに、そのまま長距離を歩こうとしているようなものです。歩き方が悪いわけではなく、靴が合っていないだけ。同じように、今いる場所での「ただ通うだけ」の感覚は、その場所のプログラムや支援の方向性が、今のあなたに合っていないというシグナルだと捉えることができます。だからこそ、環境を見直すという選択肢には、何の後ろめたさもいらないのです。

就労継続支援B型とは、そもそもどんな場所?

「B型事業所」という言葉は聞いたことがあっても、実際にどんな場所なのか、はっきりとイメージできている人は意外と少ないものです。なんとなくのイメージだけで判断してしまう前に、まずはその本来の役割を整理してみましょう。

「働く準備をする場所」としての役割がある

就労継続支援B型は、すぐに一般企業で働くことが難しい人が、自分のペースで作業に取り組みながら、働くための力を少しずつ育てていく場所です。これは「働けない人が時間を過ごす場所」ではなく、「これから働く力を積み上げていく場所」だという点が大きな違いです。雇用契約を結ばずに利用できるという特徴があるため、体調や特性に応じて出勤日数や作業時間を調整しながら取り組めるのも、この制度ならではの強みです。最初から完璧を求められるわけではなく、できることを少しずつ増やしていくプロセスそのものが、この場所の本質的な役割だと言えます。

一般就労支援とは目的の置き方が違う

就労継続支援B型は、一般企業への就職を直接サポートするA型や就労移行支援とは、目的の置き方が少し異なります。A型や就労移行支援は「一定期間内に一般就労を目指す」という前提が強く設計されているのに対し、B型は本人のペースを最優先にしながら、長い時間をかけて段階的に力をつけていくことができる制度です。たとえば体調の波がある人や、まだ自分に合う作業のスタイルが見えていない人にとっては、急かされずに自分のペースを保てるという点が大きな安心材料になります。どちらが優れているという話ではなく、今の自分にどちらの設計が合っているかという視点で考えることが大切です。

「とりあえず通う場所」ではなく「働き方を見つける場所」

B型事業所を「とりあえず通う場所」だと捉えてしまうと、そこで得られるはずの本来の価値を見逃してしまいます。本当の意味でこの場所が果たすべき役割は、本人がまだ気づいていない得意なことや、向いている作業のスタイルを、時間をかけて見つけていくことです。最初から「これが自分に向いている」とわかっている人は、実はそう多くありません。さまざまな作業に触れながら、「これは続けられる」「これは苦手だ」という感覚を積み重ねていく中で、自分なりの働き方の輪郭が少しずつ見えてくる。その発見のプロセスこそが、B型事業所という場所の本当の価値だと言えるのです。

「自分のペースを大切にする」とは、具体的に何を指すのか?

「自分のペースで」という言葉は、いろいろな場所で耳にする表現です。けれど、それが実際にどういう仕組みで支えられているのかが分からないと、結局ただの優しい言葉として流れていってしまいます。ここでは、その中身を具体的に見ていきましょう。

出勤日数や時間を、状況に応じて選べる

自分のペースを大切にするということの一つの形は、出勤する日数や時間を、その時々の体調や状況に合わせて選べることです。毎日決まった時間にフルで通うことを前提にしてしまうと、その基準に届かない日は「できなかった」という感覚だけが残ってしまいます。そうではなく、週に何日通うか、何時間取り組むかを柔軟に決められることで、無理をして続けることそのものが目的化してしまう状況を避けられます。これは甘やかしているわけではなく、長く続けるためにはどれくらいの負荷が適切かを、本人自身が把握していく過程でもあるのです。

得意なことを軸に作業を組み立てられる

もう一つの軸は、画面を見ながら細かい作業に集中するのが得意な人もいれば、絵を描くことや表現することに自然と気持ちが向く人もいるというように、人それぞれの得意分野を起点に作業内容を組み立てられることです。eスポーツやイラストといった分野は、一見すると「好きなことをやっているだけ」に見えるかもしれませんが、実際には集中力の持続、手順を覚えること、細部への気配りなど、働く上で土台となる力を自然に育てていく側面があります。得意なことから始めるからこそ、苦手なことにも少しずつ向き合える余裕が生まれてくるのです。

「無理をしない」ことが、結果的に継続と成長につながる

一番大切なのは、無理をしないということが、決して「成長を諦める」ことと同じ意味ではないという点です。むしろ逆で、無理をして頑張りすぎてしまうと、体調を崩したり、自信を失ったりして、続けること自体が難しくなってしまうことがあります。短い時間であっても、自分に合ったペースで取り組み続けることができれば、その積み重ねは確実に力になっていきます。一気に大きく変わろうとするのではなく、今日できることを今日のペースでこなしていく。その積み重ねの先にしか、本当の意味での成長は見えてこないのです。

ONEGAME八千代台が大切にしている、働き方の考え方

ここまで、自分のペースで働くことの大切さについて触れてきましたが、それを実際にどう形にしているのかが気になる人も多いはずです。ここからは、ONEGAME八千代台がどんな考え方で日々の活動を組み立てているのかをお伝えします。

eスポーツやイラストを、得意を伸ばす入り口として捉えている

ONEGAME八千代台では、eスポーツやイラストといった分野を、単なる趣味の延長として扱っているわけではありません。これらは、本人が無理なく集中できることを起点にしながら、働く上で必要になる力を育てていくための入り口として位置づけられています。たとえばeスポーツに取り組む中では、状況を読んで判断する力や、決められた手順を繰り返し正確に行う姿勢が自然と求められます。イラストであれば、依頼内容を理解して形にしていく力や、細部までこだわって仕上げる丁寧さが育っていきます。好きなことに取り組んでいるはずなのに、気づいたら働く力につながっている。それがこの仕組みの面白さだと言えます。

できることを少しずつ広げていくプロセスを重視している

もう一つ大切にしているのは、最初からすべてをこなせる必要はなく、できることを一つずつ積み重ねていけばいいという考え方です。得意なことから始めて自信をつけたら、次は少し違う種類の作業にも挑戦してみる。そうした小さな広がりを繰り返していくことで、本人が気づかないうちに対応できる範囲が少しずつ広がっていきます。これは焦って多くのことを一気に覚えさせようとするやり方とは正反対で、むしろ着実さを重視した進め方です。急がば回れという言葉がありますが、まさにこのプロセスは、遠回りに見えて実は一番確実な道筋になっています。

一般就労という選択肢を、現実的な目標として見据えている

そしてもう一つの軸として、こうした取り組みの先に、一般就労という選択肢を現実的な目標として見据えていることが挙げられます。eスポーツやイラスト、IT技術といった分野で身につけた力は、それ単体で終わるものではなく、社会の中で求められる仕事の幅広さとつながっていく可能性を持っています。今すぐに一般就労を目指すかどうかは人によって違いますが、選択肢として常にその道が見えている状態と、見えていない状態とでは、日々の取り組み方そのものが変わってきます。今この瞬間の作業が、将来の自分にどうつながっているのかが見える。それこそが、この働き方の根っこにある考え方なのです。

4月という節目から、自分のペースで一歩を踏み出すために

ここまで読んで、自分の今の状況や、これからの働き方について少し考えが整理できてきた人もいるかもしれません。最後に、その気持ちをどう次の一歩につなげていけばいいのか、具体的に考えてみましょう。

「変わりたい」と思った今が、一番自然なタイミングである

新しい年度が始まる4月という時期は、特別な準備をしなくても、自然と気持ちが切り替わりやすいタイミングです。学校や仕事、地域の中でも何かが動き出すこの時期に合わせて行動を起こすことは、特別な決意や覚悟を必要としません。むしろ、今のままではいけないと感じた瞬間こそが、すでに一歩目を踏み出す準備が整っているサインだと言えます。何かが大きく変わるのを待つのではなく、自分の中の小さな違和感に気づいた今この時を、行動のきっかけとして使ってしまえばいいのです。

見学や体験は、ハードルの低い小さな一歩から始められる

いきなり通所を決める必要はなく、まずは見学や体験という形で、実際の雰囲気や作業の様子を自分の目で確かめてみることができます。話を聞くだけでは見えてこない、その場の空気感や作業に取り組む人たちの様子は、実際に足を運んでみることで初めて感じられるものです。見学や体験は、何かを決定するための場ではなく、自分に合っているかどうかを確かめるための時間として用意されています。だからこそ、まだ迷っている段階でも、気負わずに利用してみることができるのです。

じっくり考えたい人には、資料やカタログという選択肢もある

一方で、いきなり足を運ぶことに抵抗を感じる人や、まずは情報を整理してから考えたいという人もいるはずです。そうした場合には、資料やカタログを取り寄せて、自分のペースで内容を確認するという選択肢もあります。誰かに急かされることなく、自分が納得できるタイミングで情報を読み込み、そのうえで次の行動を決めていく。見学であっても資料であっても、どちらを選んでも構わないというくらいの軽さで、まずは小さな一歩を踏み出してみることが、何より大切なのです。

まとめ:「ただ通うだけ」の毎日に、ここで区切りをつける

ここまで、自分のペースを大切にしながら働くということについて、いろいろな角度から見てきました。最後に、これまでの話を少し整理しながら、これからの一歩につなげていきましょう。

環境を見直すことは、後ろ向きな選択ではない

「今の場所が合っていないかもしれない」と感じることは、決して後ろ向きなことではありません。むしろ、自分の状態にきちんと目を向けられているからこそ、その違和感に気づけているのだと言えます。靴が合わないと感じたときに、靴を変えることをためらう人はあまりいないはずです。同じように、環境を見直すという選択は、自分を諦めることではなく、自分にちゃんと向き合っている証拠です。今まで「ただ通うだけ」だと感じていたとしても、それはあなたの努力が足りなかったからではなく、ただ場所が合っていなかっただけなのです。

大きな決断ではなく、小さな一歩から始めればいい

何かを変えようとするとき、つい大きな決断をしなければと身構えてしまいますが、実際にはそんな必要はありません。見学に行ってみる、資料を取り寄せてみる、そのくらいの軽さで十分に最初の一歩になります。自分のペースを大切にするという考え方は、行動を起こすときにもそのまま当てはまります。焦らず、無理をせず、今の自分が動きやすい形で動いてみる。そうした小さな積み重ねが、いつの間にか大きな変化につながっていくものです。

4月という節目を、自分のための区切りにしてほしい

新しい年度が始まるこの時期は、誰かに与えられた区切りであると同時に、自分自身のための区切りとして使うこともできます。「ただ通うだけ」の毎日から、自分のペースを大切にしながら働く毎日へ。その切り替えのきっかけとして、4月という時期を活かしてみてほしいと思います。見学や体験で実際の様子を確かめてみるのも、まずは資料でじっくり情報を整理するのも、どちらも今のあなたにとって自然な一歩です。気負わず、今感じているその気持ちのまま、最初の扉を開いてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次